第1回ワールドカップ世界国別空手道選手権大会にて、日本が全種目でメダルを獲得する快挙!
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posted2024年11月27日 9時21分
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11月22日(金)~11月24日(日)までの3日間、スペイン・パンプローナで第1回ワールドカップが開催されました。日本は全4種目中3種目で金メダル、1種目で銅メダルを獲得した。
今回初開催となる第1回ワールドカップ(主催:世界空手連盟)で日本は、金3・銅1の計4つのメダルを獲得し、世界で日本のプレゼンスを改めて示す結果となった。
男子団体形・女子団体組手・女子団体形 金メダル
男子団体組手 銅メダル
ワールドカップには各種目に20チームが出場。総当たり戦の予選プールを勝ち抜いた8チームが決勝トーナメントへ進みます。男子団体形・女子団体組手・女子団体形はトーナメントを勝ち抜き優勝。男子団体組手は準決勝でイランに惜敗し、銅メダルをかけて3位決定戦に臨んだ。
【男子団体形】決勝 vs トルコ
トルコは直近の世界選手権(2023年)で銀メダルを獲得した強豪チーム。日本は過去12年間の間に5回も世界チャンピオンに輝いており、大きなプレッシャーを背負った試合となったが、ディフェンディングチャンピオンとして会場にいるすべての人を引き込むような圧倒的な演武を見せつけた。
【女子団体組手】決勝 vs アメリカ
3人制の女子団体組手、第一試合「先鋒」は永井カンナ選手(学校法人国士舘)。試合序盤は果敢に飛び込むも攻めきれず先制得点を許したが、積極的な姿勢を決して崩さず、残り時間1分弱 0-2の劣勢からビデオ判定で1点をもぎ取りここから怒涛の追い上げを見せた。残り10秒で相手と同点に並ぶと、残り5秒でついに逆転し4-3に。試合終了の瞬間まで守り抜き勝利した。
第二試合「中堅」は嶋田さらら選手(株式会社ビーテック・インターナショナル)。相手は2019世界ジュニア選手権のメダリスト、スカイラー・リンガル。試合開始約1分後に見事なカウンターで中段突きを決め先制得点を獲得した。その後も出て来た相手に痛快な横蹴りで2ポイントを追加するなど、安定感のある攻防で追加点を決め、最後まで守り切り3-1で勝利した。
嶋田選手が2勝目を挙げ、この時点で日本の金メダルが決まりました。嶋田選手は大きなプレッシャーだったのか、試合後安堵の涙を見せる場面もありました。
【女子団体形】決勝 vs ポルトガル
前半の形部分では一糸乱れぬ動きで観客を魅了。後半の分解部分ではチーム全員が完璧と言っても過言ではない演武を見せ、自然と観客から歓声が沸き上がった。演武終了後には会場の喝采が鳴り止まず、感動に包まれた。全ての審判が10点中9点台を付けポルトガルと大きく差をつけた優勝となった。
【男子団体組手】3位決定戦 vs イタリア
5人制で勝者の数で競う男子団体組手。
イタリアは2021年の世界選手権で優勝、現在のヨーロッパチャンピオンでもあるチーム。
第一試合・先鋒は嶋田力斗選手(有限会社丸喜運送店)。互いに隙を見せず時間が経っていく試合序盤。口火を切ったのは嶋田選手。体格差のある相手にも関わらず、自身の強みである速さを活かして追加点を重ね、そのまま危なげなくまずは3-1で一勝を勝ち取った。
続く第二試合・次鋒は山内健太郎選手(近畿大学工学部4年)。攻めの試合展開を見せ序盤は順調に点を重ねる山内選手だったが、相手選手も追い上げを見せ、残り30秒で4-4の同点に。更に残り6秒でビデオ判定が認められ相手選手が逆転。4-5でイタリアが勝利となった。
一勝一敗で迎えた第三試合・中堅は????村郁哉選手(京都産業大学職員)。張り詰めた空気の中、????村選手が中段蹴りを決め2点先取。しかしすぐに上段蹴りで3点を取り返され相手がリード。ヒリヒリする試合となったが、残り0.03秒で、逃げる相手に????村選手渾身の突きが決まり3-3。先取(せんしゅ=最初に得点したアドバンテージのこと)を持っていた????村選手の勝ちとなり、ブザービートのような華麗な逆転となった。
ここで勝てば銅メダルとなる局面で登場したのは副将の崎山優成選手(高松中央高校職員)。序盤に上段突きを続けて決められリードされる中、崎山選手も1点ずつ追い上げた。しかし、2-3となったところで、浅いかと思われた相手の中段蹴りが認められ、2-5と差をつけられてしまった。崎山選手は、諦めずチャンスを待ち続け、残り19秒で横蹴りを決めて4-5に。相手が先取を持っているためあと2点以上取らなければ勝てない状況下、残り約10秒で相手の蹴りを交わしざまに蹴り返し、2点追加! 崎山選手が6-5で逆転して勝利した。粘り強さを見せた崎山選手が3勝目を挙げ、日本に銅メダルをもたらしました。
日本代表・松元和昭監督 コメント
”選手達が『強い日本の空手を示す』という気概で稽古に励んで来たことが結果として現れました”
監督就任より3年、ワールドカップでの優勝を第1目標に掲げて来ました。
今回、日本空手界の歴史に名を刻もうと4種目制覇を目指し臨んだ結果、女子団体形優勝・男子団体形優勝・女子団体組手優勝・男子団体組手3位という結果を収めることが出来ました。ですが、男子団体組手では優勝したエジプトに予選リーグで勝利し、1位通過していただけに悔やまれます。
この3年間、選手達の意識がより高まっていることを感じていましたが、男女団体形は連覇を重ね、昨年女子団体組手では世界大会準優勝、男子団体組手では今年9月に開催されたアジア選手権大会で9年振りの優勝、と結果もついてきていました。
世界選手権大会からワールドカップになり(※文末参照)初めての、記念すべき今大会。
男女団体形は連覇の大きなプレッシャーを感じている中、最高の演武で会場と世界中の空手ファンを魅了し、文句無しのワールドチャンピオンに輝きました。女子団体組手においては、若い5名がアジア大会で3位になったあと2回の強化合宿を経て今大会に臨み、永井カンナの急成長もあり圧倒的な強さで優勝杯を掴み取りました。
国際大会が続き、充分な準備期間を確保するのが難しい状況の中、選手達が『強い日本の空手を示す』という気概で稽古に励んで来たことが結果として現れました。チームジャパンは今後ますます進化し、次回の第2回ワールドカップ(2026年・中国)では4種目完全制覇を果たすべく日々の稽古に励んで参ります。ご声援のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。
※ワールドカップとは…世界空手連盟(World Karate Federation)が主催する空手の世界国別選手権。男女団体形、男女団体組手の4つの団体種目から成り、隔年開催。いずれの種目も世界5大陸から選抜された20チームが出場できる。ちなみに世界空手連盟は2023年まで開催していた「世界選手権」を個人種目と団体種目に分け、団体4種目は「ワールドカップ」として生まれ変わった。